「瞑想(メディテーション)」と聞くと皆さんはどのような瞑想法を思い浮かべますか?
ヨーガの中で瞑想はとても重要な要素として位置づけられています。思考という表面的な働きを鎮めることによって、瞑想はより深い気づきの視点をもたらしてくれます。瞑想には色々な体系やテクニックがありますが、その全てが思考を鎮めるための手法を持っています。簡単に言うと、「ぼーっとリラックスするための手法」こそが瞑想です。
ここでは、ヨーガの中で紹介される瞑想のみでなく、私自身がこれまでに出会い、学び、実践をする中で有効的であると感じた様々な種類の瞑想法を紹介したいと思います。
瞑想をはじめる前に
瞑想をはじめると必ず誰もがぶつかる壁とその際の対処法について触れておきたいと思います。
「瞑想=無心になる」ことだと思って、瞑想しようと背筋を伸ばして座って、集中しようとしたとたんに雑念が浮かんできて、「自分は瞑想に向いてないな」と思ったことはありますか?
もしそのような経験があったら、全く心配することはありません!常に何かしらの考えが頭の中に浮かぶのが私たちの常です。そこで、ヨーガをはじめとする様々な瞑想では何かしら「集中するための対象」を用います。一番多く使用される瞑想の際の対象物は私たちの「呼吸」です。


①「今、ここ」に集中するために、まずは姿勢を正して、腰骨を立てて座ります。そして、
「今、この瞬間に、意識せずとも起こっている現象である呼吸」一点に意識を寄せます。
② 呼吸に集中したと思った次の瞬間にはもう何かしらの考えが頭に浮かぶというのが私たちのほとんどが経験することです。人は一日に6万回~8万回もの思考を重ね(The National Science Foundation調査)、そのうち95%は昨日と同じことで、80%はネガティブなことだそうです。そんなネガティブな思考を絶つことができると思うだけでも瞑想の重要性をうかがい知ることができますね。
③ 雑念が浮かんだら、その考えがネガティブでも、ポジティブでも、一切否定することなく、その考えをそのままに観察します。
雑念が浮かんだからといって、自分自身を責める必要は一切ありません!ありのままの自分をそのままに受け止める練習を重ねます。そのためにも、浮かんでくる思考にラベルを付けるなどして、「自分と、この思考(内容)は別者だ」という認識を持つことが重要です。自分自身のことはなかなか受け入れられなくても、その思考は自分とは別物だと思うと、それ(思考)をそのままに受け止めやすくなりませんか?
実は、この「思考をしている自分に”気づく”」という出来事こそが何より素晴らしい成果です!その気づいた自分こそが本来の自分だからです。高い視点から物事をみれる大きな自分です。
「あっ、今私は思考をしているな」と気づけたら、その瞬間に自分自身を最大限に褒めて、そしてそっと優しく呼吸に意識を戻してみてください(3から1に戻る)。これが上のスライドに表している「瞑想の輪」の流れです。
この巡り巡る思考から”私”を呼吸に引き戻してくれた存在こそが「本当の私」です。この「本来の私・ほんとうの自分」とのつながりを深めてくれるのがヨーガです。「わたし」との関係が深くなればなるほど、直観や喜びに包まれた自分らしい自分を生きることができるようになります(^^)それはとっても幸せな感覚をもたらしてくれます。
様々な瞑想
上で取り上げた「呼吸瞑想」以外にも、意識を集中させる(思考から離れる)対象は無数にあります。
ヨーガアーサナの最中はとりわけ身体の動きやその際に生じる感覚に意識を向けます。
その他には、マントラ(真言)をはじめとする心地よい音、呼吸と呼吸音、物質的な対象物(花や絵など)、ロウソクの炎の光、特定の考え、特定のアイデア、さらには体の一部分に集中するなどがあります。
何に集中するか、特に制限はありませんが、ヨーガの練習の際に最も広く取り入れられているのは、呼吸と身体感覚と音(マントラ)です。
以下には、上記以外の瞑想法で、実際に実践してみて有効的だと感じた瞑想法やセルフケアを随時アップデートしてゆきたいと思います