クラウス・ベルンハルト氏による最新の脳研究に基づいたセラピー

ベルリンの有名クリニックの臨床心理士であるクラウス・ベルンハルト氏の著書『敏感すぎるあなたへー緊張・不安・パニックは自分で断ち切れるー CCCメディアハウス 出版(2018/2/28)』にて、最新の脳科学に基づく画期的な方法が紹介されています。

ベルンハルト氏は著書の中で、「脳には可塑性があり(脳は使い方に応じて変化する)、筋肉と同様、鍛えればシナプスも増える」と述べています。そこで、脳の可塑性をポジティブに促し、自己実現を果たすためには、
不安と向きあい、その際のパターンを認識し、これまでの(脳内の)連鎖を中断させる」ことが重要であるとして、それを成し遂げるための具体的な手法として、
◎パターン・インタラプト(不安を迅速に止める方法)
◎10センテンス法(ニューロンの新しい結合をつくる方法)
◎5つのチャンネル・テクニック(五感を使った瞑想トレーニング)

などが紹介されています。

中でも「パターン・インタラプト」の手法に私は大変驚きました!
私自身、体調が悪い時に瞑想をしようとすると「ぐるぐる思考」に陥ることを身をもって体験してことがあります。そんなぐるぐる思考を一瞬にして変容させてくれたのがこの「パターン・インタラプト」という手法でした。

五感の中で、不安のおよそ99%は「見る・聞く・感じる」の感覚の中で生まれるため
「匂いをかぐ・味わう」という感覚は脳をポジティブにプログラムするのに効果的であるという前提のもと、ぐるぐる思考は通常ネガティブ要因のため、前者の感覚を通じてまずはそれを感じるところからスタートします。

簡単にこの手法を説明しますと、

1.「ぐるぐる思考(考えの回転木馬)」が生じたら、その回転の方向を確認します。
(私の場合は、ぐるぐる思考は自分の頭の中で右回転しているように感じます。)
2.回転方向が確認できたら、今度はそれが反対に回っているとイメージします。
(私の場合は、左回転に)
3.何秒かたつとその回転が止まっていることに気づきます。
つまりは自分の「ぐるぐる思考が止まる」のを体験することができます。

これは、「人間の脳が正反対の感情を同時に感じることができない」特性を利用したテクニックだそうです。
これまで様々な瞑想等に挑戦してみたけれどなかなか思うようにできなくて、ぐるぐる思考に悩まされるという方には一度試してみて頂きたい手法です。

「パターン・インタラプト」の手法は他にも以下のように多数紹介されていますので、上の方法がなかなかうまくいかなくても、以下のテクニックを用いてその他の感覚器官で試してみることで、ご自身に合う手法に出会うことができるかもしれません。

① 視覚ずらし・テクニック
② ズーム・テクニック
③ スローモーション・テクニック
④ 聴覚ずらし・テクニック
⑤ ピッチング・テクニック
⑥ 身体感覚に逆のインパルスを作り出すテクニック
⑦ エンボディメント(心理学者フリッツ・シュトラックの「筋肉の記憶」活用)
⑧ パワー・ポーズ(社会心理学者エイミー・カディ提唱)

「ずらし・テクニック」は本当に画期的な手法だと感じました。大変興味深いです。
簡単に紹介しますと、
1.「不安」と「喜び」の元となるものをそれずれ2つずつ見つけ出しメモします。
2.まずは、「不安」になる要素について、「聴覚(聞く)」「視覚(見る)」「運動感覚(感じる)」それぞれの感覚器官を使って、別々に観察します。
(例えば、聴覚の場合、不安なことを心の中で声を出さずに読み上げると、それがよりはっきり聞こえるのは、右耳か左耳かをチェックします。視覚の場合は、右脳側、左脳側、どちら側に映像が反映される感じがするか。運動感覚の場合は、身体のどこかに重さやだるさを感じる部分はないかなど。)
3.次に「喜び」の要素について2と同様の手順で観察します。
この観察を通じて、自分自身の「ポジティブ」または「ネガティブ」な考えを作り出す時の脳のパターンを把握することができます。
4.その後、「ネガティブな場面」を想像してしまったり、「ネガティブなメッセージ」が頭を離れないようなことがあったら、それらがどちらの脳側に現れるかやどちらの耳側に聞こえるかを確認し、反対側(ポジティブ側)にポイっとずらしてみます。
すると本当に不思議なことに、意図的にはネガティブな出来事をポジティブに転換できなくても、この手法を用いると、「ネガティブな出来事はそのままに、その感じ方が変わったり、時には内容自体が変化したりします。」

この内容にご興味を持たれた方は是非一度、クラウス・ベルンハルト氏の『敏感すぎるあなたへ』を手に取ってみてください。
多くの気づきや学びを得られることかと思います。

投稿者: Midori

ヨガインストラクター・英会話講師